どうも。息子の書いた絵?ストーリー?に驚愕したヨネイです。
芸能人の闇営業問題など、昨今のニュースを風刺したとても素晴らしい作品かと思います(笑)。これも愛知芸術祭に出品してもらえないかな~w。
それはさておき、、、。
あまりの暑さに参りそうなクリーニングの現場ですが、長期間の納期を頂いているお洋服も次々に仕上がって参っております。お待たせしました(;^_^A
その中で、シームレスダウンというもののご依頼がありましたので、ちょっとそちらについてご紹介。
シームレスダウンとは?
シームレスダウンいうのは…
シーム(seam 縫い目 )がレス(less 無い)。
つまり縫い目が無いものを指します。
福山ロスってのも前にありましたよね(関係ない)。
ここ最近、この「シームレス」が流行っておりますので、当店にもご依頼がちょくちょくございます。
では、
「縫い目が無いなら何で止めてるの?」
と疑問に思われる方も多いかと思います。それはズバリ
接着樹脂(接着剤)で止めてます。
じゃあ、なんでそんな製造方法をするかと言いますと…
一般的な従来のダウンジャケットは、ダウンの入った生地の仕切りを作るのに糸とミシン針を用いて縫製しています。つまり、針を通すことで微細な穴がどうしても存在してしまいました。 この微細な穴は着用やクリーニングを繰り返すことで少しずつ広がる場合もあり、中に充填されているダウン(羽毛)やフェザーが噴き出してくることがあったり、温かい空気が逃げてしまう原因にもなっていました。更に、微細でも穴があることで雨による水滴を通してしまうこともあります。 ところがシームレスダウンでは、針を通さず樹脂を使い圧着している為そもそも穴が存在しません。それにより、暖かさはそのままに撥水、防風、軽量化を実現し更に噴き出しなどのトラブルへの課題解決も実現しました。
https://www.tokyo929.or.jp/column/buy/post_130.php 東京クリーニング組合HPより
激、引用かぃ!!w
東京のクリーニング組合様、ありがとうございます!
ダウンやフェザーの羽が糸の縫い目から飛び出すことよくありますよね。
シームレスなら縫い目が無いので当然あれを防げます。そして縫い目からの通気性もなくなるので、暖かさを縫い目があるものより維持できるようになるメリットがあるということです。あと撥水性が上がったり、軽量化にもつながります。
こうしてみるととても良いことばかりじゃん!と思うんです。
ただ、大きなデメリットがあるんです。それは…
接着樹脂は製造から3年ほどしかもたないということ。
接着の樹脂にはポリウレタンという素材を使っていることが多く、これは繊維にもよく使われてるものなのですが、寿命は3~5年くらいで実はとても短いのです。
機能性やデザイン性からシームレスが良いと思われる方も多いですが、そのデメリットを知っている方は非常に少ないと思われます。
もちろん、その接着の寿命は、使用頻度や使用条件、素材、製造からお客様の手元の渡るまでの期間などにもより差はありますが、接着している部分は必ずいつかは剥がれます。
やはり取れてくるとデザイン上不格好になるかも知れません。ただ、本体の生地そのものがその年数で劣化する訳ではありませんので、着用は出来ると思われます(着れても見た目はやっぱりカッコ悪いかな💦)。私自身、 長年使用したシームレスダウンを持っている訳ではありませんので、はっきりとした事は言えませんが…。
ただ確実に言えることは、この接着部の剥がれは徐々に進行します。そしていつかは全体のシームレスがレスになってしまうと思われます(;^ω^)。
シームレスレス(ややこしい方言っ!)は徐々に起こっていくのですが、実は、その劣化具合がクリーニング作業後に目立ってしまうことが多いんです。
クリーニングは皆さんがご想像されるように、当然、液体の中に服が入ってグルグル回ったり、バシャバシャしたり、絞ったり、する訳ですから、普段の着用では起こりにくい力が加わります。それはキレイにするために必要なコトです。
でも、劣化している接着成分は、その服をキレイにする工程で汚れを落とすと共に剥がれも起きやすいというリスクを持っています。
元々劣化が起きていた服が「クリーニングのせいでこうなったんちゃうん!?」という申し出をクリーニング後に受ける可能性がありますので、クリーニング屋さんとしてもあまり作業したくないと思います。
なので、受付時に断るお店も多く、「シームレスダウンはクリーニング出来ない…」という噂や情報が流れているみたいでした。
「ユニクロのシームレスダウンはクリーニングできない」という投稿が拡散 ⇒ 実はクリーニングできた。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/11/21/seamless-down-uniqlo_a_23595687/
つまり、洗える事は洗えるのですが、
①いつかは接着シームが取れてくる
②それがクリーニングにより目立つこともある
ことをご了承頂いた上であればクリーニングは可能です。ご購入されてからすぐであればそこまで取れる事は少ないかも知れませんが、やはり年数が経ってくるとどうしても起こることなのです。
「じゃあ、やっぱり洗わない方がええんかな?」
と思う方も多いかも知れません。ただ、これも微妙で、、、洗わないと生地を傷めますし、衛生的に考えるとちょっと気持ち悪いかと思います。ジュースがこぼれたとか、大雨で泥だらけになった…など、「大きな汚れ、シミ」が付いたら洗わないで良い訳がありません。
なので、リスクを見極めた上でかなりソフトなクリーニング方法を取らせて頂いております。当店ではまだシームがクリーニングによって取れてしまった…という事は起きてません。が、取れかけているのは色々とみてきています。
そして、いつかは起きます。ただ、モノによって寿命の差はあると思います。
そのあたりをご了承頂きご依頼頂ければ…と思います。
もちろん、クリーニングのご依頼は大歓迎ですよ。お気軽にご相談ください。