レザー製品(ブランド品など)にガラスコーティングをしない方が良い理由

どうも。個人的なXの投稿でイイねをくれたのがスギちゃんだけだったヨネイクリーニング代表のヨネイです💦

BS朝日で放送している「迷宮グルメ 異郷の駅前食堂」、めちゃくちゃ好きなんです!特にスギちゃんが最高!旅番組はもともと好きで、NHKの「世界ふれあい街歩き」もよく見るけど、この番組はそれを超える面白さ。スギちゃんの自然体と現地の人たちとのアポなしふれあいが、めっちゃほっこりするんです。

https://www.bs-asahi.co.jp/ikyou_ekimae

でも残念ながら、その番組も10/6で最終回を迎えることに…。

もっと長く続いてほしかった!

それが私の願いです( ;∀;)

ワールドウォ~?

(相席食堂のスギちゃんの回を知ってる人しか知らないw)

さて、話は変わって…。

最近、靴やカバンなどのレザー製品に「ガラスコーティング」をする業者さんが増えてきました

最初は「本当に大丈夫かな?」って少し不安がありました。車やスマホみたいな硬いものならいいけど、レザーみたいにメンテナンスが難しいものにそんなに簡単にコーティングして大丈夫かな?効果あるのかな?って疑問があったんです。

ガラスコーティングが出始めた頃から数年が経ち実際にレザー業界からガラスコーティングの弊害について耳にするようになりました。今回はその点について書いてみます。

ガラスコーティングについて

ガラスコーティングは、シリカや酸化チタンなどの成分を含む液体を表面に塗布し、硬いガラス状の保護膜を形成する技術です。主に車の塗装やスマートフォンのスクリーンに使われ、傷や汚れ、紫外線からの保護が目的。耐久性が高く、光沢感もありますが、素材の柔軟性が失われることもあります。

※イラストはイメージですw

レザー専用のガラスコーティングには、素材の柔軟性を維持するために特別な成分が使われています。たとえば、以下のような成分や技術が取り入れられています。

  • シリコーン系ポリマー: レザー表面に柔軟な保護膜を作り、撥水効果や汚れ防止機能を提供しますが、レザーのしなやかさを保つことができます。
  • フッ素系ポリマー: 水や油を弾く効果があり、レザーの通気性を保ちながら保護するために役立ちます。
  • ウレタン樹脂: レザーの動きに追従する柔らかさを持ち、耐久性も高いため、レザー製品の長期的な使用に向いています。

しかし、これらの成分が使われていても、年数が経つと劣化が避けられません。劣化により以下のような現象が見られることがあります。

  • 濃い色のレザーでは、表面に白い粉のようなものが現れ、全体的に白っぽくなる。
  • 明るい色のレザーでは、黄色っぽく変色することがある。
イラストはイメージです※

その結果、一時的には効果を感じられても、長期的にはコーティングがレザーの寿命を縮める可能性があるのです。

ガラスコーティングの弊害

レザー製品にガラスコーティングを施すことには、その他いくつかの問題点があります。以下の点に注意が必要です。

  1. レザーの柔軟性を損なう
    レザー本来の柔軟さが失われ、硬くなってしまう可能性があります。特にバッグや靴のような製品では、自然な動きが妨げられます。
  2. 通気性の低下
    ガラスコーティングはレザーの表面を覆うため、通気性が低下し、レザーが乾燥しやすくなり、ひび割れの原因になることがあります。
  3. 質感や風合いの変化
    コーティングを施すことで、レザー特有の質感が失われ、人工的な光沢感が強調されてしまうことがあります。
  4. 経年変化の楽しみが減少
    レザーは使い込むほど味が出る素材ですが、ガラスコーティングを施すと、こうした経年変化を楽しむことが難しくなる可能性があります。
  5. メンテナンスの難しさ
    通常はオイルやクリームでの手入れが可能なレザーですが、ガラスコーティングが施されたレザーは、手入れが難しくなり、部分的な修復も困難です。
  6. 環境への影響
    ガラスコーティングには化学物質が含まれており、それがレザーの品質を損なう可能性があります。特に自然素材であるベジタブルタンニン鞣しのレザーには影響が大きいかもしれません。

このような問題を考慮すると、レザー製品のメンテナンスにはコーティング剤に頼るよりも、定期的なオイルやクリームでのお手入れが推奨されることが多いです


実際に起こったご相談事例

実際、先日ご来店されたお客様が、1年前に購入したレザースニーカーを大切にしたいが為に業者さんへガラスコーティングを依頼したものの、段々と白い粉のようなものが出てきていると相談されました。

ナイキとティファニーのコラボスニーカーで、ソール部分には粉が出まくり、革部分はカチカチで質感が変わり光沢感だけが残っている状態でした😢。

これをクリーニングで元に戻すことはほぼ不可能です。革の質感やソールの凹凸に入り込んだガラス粒子は取れません。かなり強めの洗浄を行い、見た目を少しごまかす程度に修復しましたが、完全には戻りませんでした。

結局、ガラスコーティングで汚れや傷を防ぐことは、レザー製品にとって無理があると言えます。レザーはその変化を楽しむ素材であり、適切なメンテナンスを行いながら長持ちさせていくことが重要です。

特に、このレザーへのガラスコーティング技術はまだ始まったところですので長期間の使用による検証が十分ではなく、改善された商材でもありません。リスク(副作用)とベネフィット(メリット)って単語、コロナワクチンの時によく耳にしましたが、このどちらを取るかはあなた次第です。ぜひ、よく調べたうえで判断することをお勧めします。

とはいえ、今後の技術がさらに改善され、レザーにも優しい、より効果的なコーティングが登場することを期待しています。技術は日々進化していますので、次世代のコーティングがどんなものになるのか、楽しみにしながら見守っていきましょう。

ではまた!