「クリーニング屋さんの袋は外す方が良いのか?」という疑問についてクリーニング師がお答えするブログ

どうも。兵庫県姫路市のクリーニング店「ヨネイクリーニング」の代表ヨネイです。

昔に「誰がために鐘は鳴る」という映画(小説)がありましたが、今回は…「誰がためにクリーニング屋の袋はある?」というブログです(どんなや!)。

では参りましょう。

クリーニング屋さんの袋は何のためにあるのか?

まず、クリーニング屋さんに依頼した服にはほとんどのモノにビニールの袋が付いていると思います。これ、実は…

井上公造さん口調でお伝えしますと、

https://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_201407_post_5319/

「実は、これ、、実はですよ、ここだけの話ですからね、、絶対に誰にも言わないでくださいよ、、、これ、実は、クリーニング屋さんからお客様へお渡しするまでに汚れないようにしてるだけなんです!」

なので、保管用でもなんでもありません(;^_^A。

驚きでしょう?

まさに文春砲レベル(どこが…)

私たちクリーニング業は公衆衛生に関わる仕事をですからね。新品のモノを扱っているアパレル店とは違います。なので、衛生面においてもすべて包装している訳です。そもそも、キレイにするお仕事ですから、店舗で汚れたりするって訳にはいきませんもんね。

袋を付けたままだとどうなるのか?

では、そもそも袋を付けたままの何が悪いのか?ということを少しお話したいと思います。

シンプルに言えば

袋を付けたまま = 通気性が悪い

ってこと。通気性が悪いってことは衣類にとってトラブルになることが沢山あります。

空気循環されないことによるデメリット

  • カビ発生の危険度がUP (湿気度合が増すため)
  • 合成皮革やポリウレタン素材の劣化促進 (湿気による影響)
  • ガスによる変色 (大気中のガスや石油ストーブなどのガスの滞留)
  • 接着成分などの劣化・滲みだしによる黄変色
  • プリント製品の劣化促進
  • 袋の防御により防虫剤成分が効きにくくなる

などが考えられます。

特にハイブランドには特殊な素材が多く使われており、注意が必要です。

ではそのクリーニングから帰ってきたモノはどうするべきか

ではクリーニング屋さんから持ち帰ったモノはどうすれば良いのか?そのあたりをまとめてみましょう。

まずは袋を外して品物をチェック!

クリーニングから帰ってきた服達はまず袋を外してチェックを行います。依頼したところが改善していなければその時点でお店に言う事も出来ますからね。

ほこりが付くのが嫌!その場合はオール不織布の衣類カバーをつける

袋は外したけど、保管中にホコリが付くのが嫌だしな、、、って方は、不織布のカバーなどをお使いください。

型崩れが嫌な方はしっかりとしたハンガーに掛け替え

たまに針金のハンガーやプラスチックの細いハンガーで戻ってくる服もありますが、型崩れが心配の場合は木製ハンガーやしっかりしたぶ厚めのプラハンガーに掛け替えましょう。※ハンガーの回収・リサイクルをしているクリーニング屋さんも多いので是非活用を

(※ちなみに当店ヨネイクリーニングではその服のシルエットに合わせて何種類からのハンガーを駆使してなるべく型崩れしないようにしています)

車に置いたまま」とか「箱に詰めたまま」とか絶対にしない

車の中に入れたままや箱に詰めたまま、というのはかなりの悪環境です。服の寿命が短くなるのは必至です(;^ω^)。

仕舞う服に使うなら、どんな袋(カバー)やハンガーが良いの?

では具体的に仕舞う服に使うならどんな袋(カバー)やハンガーが良いのでしょうか?

保管用の袋について

袋に関しましては、やっぱりクローゼットの環境が整っているのであれば、外してしまうのがベスト。でもやっぱりカバーを付けておきたいのであれば、全体に通気性があるモノが良いでしょう。

不織布って皆さんご存じですか?

コロナ禍でマスク生活が当たり前になってきて、不織布って名前も多くの方々が知るようになったかと思います。あの不織布です。

どんな画像を使うねん!汗

こういうものですね(ピストルポーズの方に目が行ってしまう(;’∀’))。

その「不織布」を使った衣類カバーが売っています。これなら通気性もあるし、ホコリよけにもなるし良いかと思われます。例としてはこちらです。


あと、こちら↑より通気性があってホコリよけにもなるし、使いまわし出来るな~、と思うのは全体を上から覆うことが出来るこちら↓の衣類カバー


これなら全体をカバーできているし、ホコリよけにもなってる。あと通気性もより良いかとも思います。※ただ服同士が密着しやすいことがデメリットかもしれませんね。

保管の時のハンガーについて

どうしても、安価なプラスチックハンガーや針金ハンガーだと形が崩れたり、肩のあたりに変な型が付いたりする(ダジャレではないw)ことがありますよね。

型崩れを気になる方は、そこそこ厚みのあるハンガーで吊っておくと良いでしょう。



保管中で多い被害「虫食い」や「カビ」の対策はどうする?

衣類の保管中で怖いのは、ズバリ「カビ」と「虫食い」

すべて防げる訳ではありませんが、なるべく防ぐためのポイントを簡潔にご紹介(それぞれ対策としては1ブログかけるぐらいの内容ありますので、今回はシンプルにまとめます)。

カビの対策 3選

①湿度(湿気)の管理

  • 除湿剤や除湿器による湿度低下
  • カビ菌の寝床にしないようにクローゼットの換気の充実(クローゼットへ向けて扇風機をたまに回す)
  • やはり綺麗な状態で保管すること(※仕舞う前にクリーニング)

個人的には水取りぞうさんのような置いて取り換えタイプより、マシンでしっかり除湿していく方が好き。クローゼットには扇風機をたまに当てて空気を循環させると良いでしょう(水とりぞうさんは途中から面倒くさくなって取り換えしなくなりがちw)

②カビで気を付けるべき衣類

  • レザーの服 (あまり着ない服)
  • 着物 (あまり着ない服)
  • 礼服 (あまり着ない服)

つまり、あまり着ない服は気を付けるwww

虫食い対策 3選

①虫食い事前対策

  • 家から帰った服は一度そとではたく(虫食いの虫がついている場合がある)
  • 外で干すのをやめる(衣類に成虫が付着して侵入するケースがある)
  • 防虫剤の活用
  • やはり綺麗な状態で保管すること

虫食いで気を付けるべき衣類

  • カシミア・ウールなどの獣毛の服(エエ服)
  • ブランドの服(エエ服)
  • シルクの製品(エエ服)

つまりエエ服は気を付けるwwwww

意外と大切に仕舞っているモノの方が寿命が短い…

上記のことを考えると、大切に仕舞っているモノめったに着ないモノの方がこういった被害に合いやすく、長い時間、湿気などのダメージを受けることも多い。つまり寿命が短くなるケースが多いです。

てことは、大事なモノでも定期的に使っていく方が良いのです(状態の確認にもなりますしね)。

まとめ

以上。クリーニング屋さんの袋は外す方が良いのか」という内容について書いてみました。

結論を言えば、

「袋は外してしまう方が良い」

ですが実際に仕舞っている間にホコリまみれになっちゃうことも多いのが現実です。

なので、

  • カバーをつけるなら不織布のカバー
  • ハンガーを付けるならシルエットに合ったハンガーを使用する

ことが良いかと思います。

もちろん、クローゼットの管理もとても大切です。環境が悪ければこれらのカバーやハンガーを使っていたって何らかの被害に合うことがあります。あなたの大切な衣類を守るためにも、きちんとした仕舞い方で服を扱ってあげましょう。そのために、こちらの記事が少しでも参考になれば幸いです。

長文最後までお読みいただきありがとうございました。長文書いて疲れたのでクリーニングの作業に戻ります(笑)。ではバイナラ!